自伝的日本海軍始末記―帝国海軍の内に秘められたる栄光と悲劇の事情 (光人社NF文庫)本ダウンロード
自伝的日本海軍始末記―帝国海軍の内に秘められたる栄光と悲劇の事情 (光人社NF文庫)
本, 高木 惣吉
によって 高木 惣吉
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内容(「BOOK」データベースより) 太平洋戦争の只中で、和平交渉の工作と東条内閣打倒に奔走した一人の海軍少将―アル中の父と借財をかかえ、かずかずの逆境にもめげず、製本屋の裁断工から単身ふるいたって海軍兵学校に進み、その独自の炯眼を国の内外に向けつつ、毒舌をもって一時代を風靡した帝国海軍の“鬼才”が書き綴った畢生の一代記。
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高木惣吉氏は海軍将校ではあるが、第一線で戦ってきたわけではないので、そんなに血湧き肉躍るようなエピソードはない。特に前半は冗長で退屈。本人にとってみれば、全て人生の折々を彩った忘れ得ぬエピソードなのだろうが、他人が読んでもそれほど面白い話ではない。海軍の雰囲気をつかむことはできるが。太平洋戦争開戦後の後半部分は、歴史の貴重な証言となっており、興味深い。敗色濃厚な中で元帥たちが席次をめぐって争ったなど、笑えるような背筋の寒くなるような逸話が多く収録されている。高松宮、近衛、岡田、大西など重要人物とのやりとりも詳細に記されており一読に値する。しかし、このままでは負けるという危機意識の下で様々な改革案が出されるものの、結局は実現せず、唯一できたのは東条内閣の打倒だけというのは、いかにも虚しい。著者は後知恵でもって訳知り顔に戦争指導者を断罪するような破廉恥漢ではなく、その点は好感が持てるが、倒閣だけで満足したかのような書きぶりは如何なものか。後からでは何とでも言えるが当時の状況では戦局を打開する方法がなかったということを著者は力説するが、どこか言い訳めいて聞こえる。無能な軍指導者を罵倒するだけでなく、もう少し自省があっても良さそうに思える。また海軍将校ということもあって、陸軍に辛く海軍に甘い点も気になる。たしかに陸軍の敗戦責任は大だが、艦隊決戦思想を捨てきれず、敵輸送船攻撃に最後まで消極的だった海軍にも責任がなかったとは言えまい。
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